5月20日~24日の保育
今週のいずほ
今週は園長の阪田がお伝えします。
園児の写真はないため、パスワード保護なしで公開します。
晴れやかな天気が続いた一週間、子どもたちは半袖姿が一気に増えて汗をいっぱいかきながら園庭での戸外あそびを満喫しました。
虫探しがあちこちで行われ、小さいクラスの子にみつけたダンゴ虫を渡してあげたり、牛乳パックの手提げや透明パックに虫や砂を入れて一緒に歩いて回ったりする姿がたくさん見られます。
給食で部屋に戻るまでずっと地面にはいつくばって虫を探している子もいます。
毎年この時期の恒例の姿ですが、どれだけたくさんのダンゴ虫にお世話になっていることか…と感謝の気持ちでいっぱいです。
大好きなダンゴ虫だけど、触るのはこわい、なのでパックから落とすたびに『とってー、とってー』とお願いする子。
ちょうちょが目の前を通り過ぎると『あ!』と指さし教えてくれる子。
プランターの花びらをひとつずつ指さして、色を聞いてくる子。
うさぎが少し動くだけでも嬉しくて、眠りながらヒクヒク動く鼻や上下するおなかをじーっと見入る子。
牛乳パックに砂をいっぱい詰めてテーブルの上に置き、椅子に腰かけ一休みする子。
自分が持っていた物をお友だちが持つと『〇〇ちゃんの!返して』と物を挟んで押したり引いたりする子たち。
この姿は主にもも組の子どもたちの園庭での様子です。
すでに言葉ではっきりと気持ちや状況を言える子もいれば、表情やジェスチャーで気持ちは伝わっても言葉ではまだ言い表せない子もいます。
まだ歩き始めたばかりの子からイヤイヤ期に踏み込んだ子まで、もも組は身体的にも情緒的にも特に月齢差を大きく感じるクラスです。
見たものを教えられたそのままの言葉で膨大な情報をインプットしていくこの時期、豊かな表現する力を身につけていけるよう保育者は一つひとつを丁寧に応答し、思いや気持ちも代弁するよう関わります。
先程の場面にもあったように、時にはお友だちとぶつかり合いながらその関わりから学ぶ事もたくさんあります。
物の取り合いをしていた時、実は姉妹のひまわり組のお姉ちゃんが仲介に入ってくれていました。
『取ったらいけんよ、「貸して」だよ。』と優しく声をかける姉と、心配そうに取られたと訴える子に寄り添うそのお友だち。
年齢を経て、見守る側に成長した姿を見ることができ嬉しく思います。
言葉の出始めの年齢では思いを伝えようと、時に手が出たり口が出る事もあります。
それは相手を故意に傷つけようとしている訳ではありませんが、やはり相手が痛い思いをすることは良い事ではありません。
ダメなことはしっかり繰り返し伝えながら、どんな思いがあってそうなったのか気持ちを代弁しながら『こうしたらいいよ』と関わり方を伝えていきたいと思います。
23日の木曜日には、避難訓練で不審者対応を行いました。
昨年に続き井原警察署のスクールサポーターさんに子どもたちへの指導をお願いしました。
今回は職員にも子どもにも、不審者対応の訓練があることは知らせずに行いました。
仮面を付け、みるからに怪しい出で立ちでフェンス沿いを歩いてもらい、実際に子どもたちに声かけをした時の職員の対応を実践で訓練します。
そのような出で立ちでも好奇心旺盛の子は、怖がることもなく近づき喜んだり、中には応答する子もいます。
担任は、危険を察知すると、すぐに周りの他の職員に合言葉で不審者がいることを伝え、相手を刺激しないよう意識しながら、とにかく早く子どもをフェンスから引き離したいという思いで声をかけ集めます。
が、「相手を刺激しないよう」にするには大きな声を出したり、安全のため子どもの名前を呼んだりができないため、現場の危機感が伝わりにくく、すぐに退避できない子もたくさんいました。
子どもを集めると同時に、不審者の様子からは目を離さず、子どもから意識を遠ざけるように対応をします。
職員は一人ではなく複数人で不審者の動向を見守ります。
子どもたちは室内に退避し、安全を確認できるまでは待機します。
訓練はここまでで終わり、3上クラス向けにスクールサポーターさんが振り返りの紙芝居やお話しをしてくださいました。
事後には改めて担任からも、知らない人・怖い人に近づいたり話しをしてはいけない事、先生から集まるように言われたらすぐに集まることを伝えました。
職員の振り返りからは、
『訓練とは思わず本当に不審者が来たと思ったくらい怖かった。そんな状況でも行ってしまう子がいることがこわい。』
『不審者に対応しなければとフェンス越しとはいえ、距離が近づきすぎてしまい、もし刃物を持っていたら刺されていたかもしれない距離だった。全体の様子をみるためにも少し離れて距離を取った方がよかった。』
『新しい先生の中には、合言葉を知らない先生もいたのできちんと全職員に周知しておくべきだった。』
『室内に入るまでに時間がかかってしまったので、集まった子からでも靴を履いたまま室内に入れ一早く不審者の目に触れないところに子どもを移動させるべきだった。』
などの意見が出ました。
保育園には、緊急通報装置という金融機関などにもある警察への通報が直通で出来るボタン式の通報装置が設置されています。
押すと、近隣のパトロールカーが一斉に集まってくれるそうです。
とはいえ、通報から警察官が到着するまである程度の時間はかかります。
それまでは、何が何でも職員で子どもたちを守らなければなりません。
今回の訓練では、どの職員も『訓練だから…』という安心感が一切ないリアルな恐怖感の伴う状況を体感できたと思います。
その中で感じた教訓をあって欲しくはないですが本番の時には誰一人傷つくことないまま収束できるよう生かしてもらいたいと思います。
普段の保育の中でもドキッとしたりヒヤッとしたり危なかったと感じる機会がまったくないことはありませんが、保育は日常的なものであり、緊張感ある現場ではない分、繰り返しの中で感覚が薄れたり慣れが出てくることもあります。
一人ひとり大切なお子さんをお預かりしている事を日々忘れず思い出し、適度な緊張感も保ちつつ安全が保障される保育を展開できるよう、このような機会を大切にしていきたいと思います。
最後に、5月20日はうさぎの子どもたちの6才の誕生日でした。
実はつくし組の子どもたちと同級生なのです。
5年前に亡くなったお父さんのはっぴーとお母さんのももかちゃんから生まれた、
さくら・みらい・みかんの3兄弟。他にも貰われていった3羽の兄妹がいます。
お誕生日の日もみんなに『おーい♡こっちおいで!』とたくさん声をかけてもらい、なでなでしてもらいました。
『ふわふわしてて気持ちいい♡』『かわいい!』と子どもたちも喜んでかわいがってくれています。
子どもたちと一緒にこれからも元気で過ごしてほしいと思います。
(母 ももか)
(さくら)
(みらい)
(みかん)